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【くたぽでぃさんから】クソザコお兄ちゃん

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二人、生まれた日は違えども死す時は同じ日同じ時を願わん

「ク・ソ・ザ・コ・お兄ちゃん❤️」

ローラはまるで人が変わったようだった。

「弱すぎて生きてちゃいけない可哀想なお兄ちゃんはあたしが殺してあげるねぇーーーーッ!!」

「やめろ! ローラ!」

「うるさい! 死ね! 死んじゃえ!」

ローラの凶暴化による死傷者はとうに10を超えていた。

そのどれもがまるで子供の所業とは思えない軽々と引き裂かれたものだった。

(俺も死ぬのか……)

意を決して刃をローラに向ける。

「アハハ! 簡単に死なないでぇーーっ!! お兄ちゃぁん!!!」

叫ぶローラの声を聞きながら、ディーンは剣を振り下ろした。

振り下ろされた剣はそのまま地面へ突き刺さり、砂埃が舞う。

ローラは目の前から消えていた。

一瞬の出来事だった。

「え……?」

ディーンは自分の身体を見下ろすと胸にはナイフが深々と突き刺さっていた。

口から血が流れ出る。

「ゴフッ⁈」

ディーンは膝をつく。

「あれ? 手加減したつもりなのに死んじゃったよぉ〜? よ・わ・よ・わ・お兄ちゃん❤️」

そう言ってローラは蠱惑的な笑みを浮かべながら近づくと、ディーンの顎を持ち上げ、うっとりと見つめる。

その刹那ーーー。

「うッ⁈」

ローラの口からも血が流れ出す。

「え……?」

ディーンは力を振り絞りローラの胸に刃を突き立てていた。

「死ぬ時も一緒だって、言ったよな……」

「あ……」

「もう離さないって約束したもんな……」

「あああ……」

「お前だけは守るって誓ったんだ……」

「いやだぁぁぁぁ!!!」

ローラは泣き叫んだ。

そしてそのまま二人は抱き合うようにして息絶えた。

 

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くたぽでぃさんに、バトルロワイアルもののSSをよく見かけたことを受けて、ローラをグサっと止める2nd主人公を描いていただきました、ありがとうございます!

 

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