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【ぺんたごんさんから】ダスカと焼肉に行きたいマン

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 ヒトとは少し異なる、馬の耳を持つ少し神秘的な種族が共に暮らす世界。いつからか彼女達は『ウマ娘』と呼ばれていた。 

 

 都心部から少し離れた場所にある『日本ウマ娘レーニングセンター学園』の午後の学食は賑わっていた。

「トレーナーさん、ごきげんよう

 資料に目を通していた彼は、顔を上げると、不思議そうに返した。

「なんだ? 今日はやけに機嫌が良さそうだな」

「ふふん♪  今日はアタシの誕生日なんだから、調子合わせなさいよね」

 ダイワスカーレットは得意げに鼻を鳴らす。しかし、彼の表情には陰りがあった。

「……誕生日ってことは15歳か。ちょっと前までランドセル背負ってたのに、早いもんだ」

「あんたねぇ……そこはおめでとうでしょ! 普通!」

「あぁ、すまない。つい昔のことを思い出して感傷に浸ってしまったよ」

「まったくもう。そんなんじゃ女心なんて一生分からないわね!」

 彼女は呆れたようにため息をつく。

「それはそれとして、奇しくも同じ誕生日だ。焼肉を奢ってやろう」

「ホント⁈ やったー!」

 彼女は飛び跳ねて喜んだ。

「でもねぇ……う〜ん。服をまた調整に出さないと」

 彼女は自分の体を見下ろしながら言う。ウマ娘には『本格化』という現象があるらしいので、それだろうか。

「スカーレット、お前はまだまだ肉を付けた方がいい」

 彼女は女性としては十分豊満で魅力的なスタイルを持っていたが、ウマ娘としては依然成長の余地があるのだろう。本格化が始まると急速に身体能力が向上するが、一方で衰えも確実にやってきて、それで走れなくなるまで弱ってしまったウマ娘もいるらしい。彼女の場合はまだ始まったばかりだから大丈夫だろうが、それでもこの先どうなるのかわからない。

「でも、これ以上太ったらスピードが出なくなるかも……」

「いや、今はパワーの強化が最優先だな」

「そう? 後悔させないでよね? ちゃんと一番になれるトレーニング、用意しときなさいよね!」

 ダイワスカーレットは自信ありげに笑みを浮かべる。その笑顔を見てトレーナーは頷き返し、焼肉屋へと向かった。

 

 二人は網の上で焼けているカルビを口に運ぶ。訪れたのは駅前の焼肉屋だ。そこでダイワスカーレットは不機嫌そうにまくし立てる。

「金・金・金ってあんた、アタシのトレーナーとして恥ずかしくないの⁈ 金ならアタシがいくらでもレースで勝って稼いでやるわよ!」

「食いながら叫ぶな、スカーレット。行儀が悪いぞ」

 トレーナーは焼き上がった上タン塩をダイワスカーレットの皿に運んだ。

「まあマニーは幾らでも稼げるが……ほとんどはウマ娘年金の運用に回って手取り額は僅かだろう?」

「えっ、そうなの? アタシ知らなかったんだけど……」

「そもそもお前はまだ未成年だしな。まだ親御さんの扶養内だよ」

 ダイワスカーレットは頬杖を突きながら不貞腐れる。

「早く大人になりたいものね」

「なったらなったで走れなくなる時がくるかもしれないが……そのための引退ウマ娘支援ではあるな」

「でもアタシはもっと速く走りたいの! 1着以外は全部負けよ!」

 トレーナーは苦笑いしながら水を一口飲む。そろそろ将来について真剣に考えなければならない時期だった。彼は20代後半に差し掛かり、ベテランと呼ばれてもおかしくはない年齢である。だが、彼が今まで担当したウマ娘は多くないが、今も現役で走っている者も中にはいる。『本格化』の衰退がいつ始まるのか、気がかりだった。

「長い人生だ、生きてりゃ辛い事もあるが、肉を食ってりゃどうにかなる」

「その通りね。いいこと言うじゃない」

 ダイワスカーレットは皿に乗った上タン塩を口に運ぶ。

「う〜ん、このタン塩、美味しい〜!」

 

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「まったく……お前のその屈託の無い笑顔が一番の癒しだよ」

「アハハ! 何よそれ、気持ち悪いわね〜」

 ダイワスカーレットはあっけらかんとした表情で笑った。

 

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ぺんたごんさんに、『ウマ娘プリティーダービー』よりダイワスカーレットのイラストをSkeb依頼しました。

 

 

いっぱい食べる君が好き!

 

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