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『吾輩は猫である』の猫になりきってみよう!

題:ああ無常


蒼司「どうにかならんか・・・」
辺遼「すまないが、これだけはどうにもならんのだ・・・」
二人は、先程からずっとこの様な調子である。
一方は移り行く人の世の無常さを嘆き、一方はそれも運命だといってそれをただ受け止めている。
吾輩は猫であるから、その様な話題には何の悲哀も切情も一切抱かない。
ただじっとコタツの中で寝転びながら、二人の会話を聞いているだけである。
しかし、猫であるからこそ吾輩はこう思う。
人の世はなんと移り行くのが速いものか。
まるで人は捨てることこそが楽しみであるかの様に思う。
限りなき投棄の果てにあるものを追い求め、彷徨い、途方に暮れる。
それが吾輩の人間観である。
とは言っても、だからといって吾輩はそれによって別段どうしようという気も無い。
吾輩は猫である。名前はまだ無い。」
それだけが、吾輩にとっての真実であり、事実なのだ。


山無し落ち無し。
御粗末。