【ぺんたごんさんから】あなたは私のヒーローなんです
「さあライスシャワーが先頭だ！ いや〜やっぱりこのウマ娘は強いのか〜！」
「行きなさいライス！ 誰かのためじゃない、あなた自身の願いのために！ あなたは私のヒーローなんです！！」
二度目の天皇賞・春。
ライスシャワーは１着でゴールした。
「ブルボンさん、お兄様……ライス、やったよ」
彼女は熱烈な歓声を浴び、トレーナーは控室で涙した。
「ああ……ライス。お前は立派なヒーローだよ」
いつだったか彼女は言っていた。
自分は周りを不幸にするウマ娘だと。
勝ち負けの世界だ。
負けた方が悔しいのは事実だろう。
だが、そんなことを言ってしまえばこの世の全ての勝負ごとがそうだ。
しかし、それでも自分が関わると誰かに迷惑をかけてしまうと思ってしまうのだろう。
それはきっと彼女の優しさだ。
そして同時に、彼女を苦しめる呪いでもある。
「ブルボンさん、今日は応援に来てくれてありがとね」
「いいえ、ライス、引退した私にとってあなたのレースは人生の糧と呼べる物ですよ」
「もう……大げさだなぁ、ブルボンさんは」
そう言いながらも嬉しそうな顔をするライスシャワー。
ミホノブルボンが引退してから一年。
あの悪夢の様な罵声を浴びせられた菊花賞以来、ライスは大きな怪我もなくここまで戦ってきた。
これからも彼女は呪いと戦い続けるだろう。
それでも、今のライスシャワーには、ミホノブルボンという新たな良き理解者が居るのだから。
きっと、大丈夫。
―――――――――――――――――――――
ぺんたごんさんに、『ウマ娘』よりミホノブルボンとライスシャワーのイラストをSkeb依頼しました。
てぇてぇイラストありがとうございました！
